島田先生の掘削レッスン③:地下資源以外の掘削技術

地下資源以外の掘削技術

地下の利用は、地下資源資源だけでなく、地震観測井、地質調査井、科学ボーリング、二酸化炭素地下貯留井等、あらゆる分野に広がっています。

地震観測井

地震観測井は、地震振動以外の暗振動の影響を小さくするためや、震源により近い場所で測定するために掘削する坑井です。地震計を垂直に設置するため垂直に掘削する技術が必要となります。

坑井の掘削は、ビットという掘削刃に上から掘削パイプの荷重を掛けて掘進します。この時発生するパイプの湾曲や地質層理の傾斜などにより、コントロールしなければ坑井は曲がってしまいます。この曲がりを計測しながら、一定の傾斜角内に入るようコントロール掘削をおこないます。

地質観測井

地質調査井は、深度10数mのビルや橋の地盤調査から深度2000mクラスの地質調査井や地熱資源調査井まで、様々な坑井が掘削されています。

地質のサンプルとなるコアを確実に採取するための技術が求められます。ほかの技術との相違点は比較的小さな坑径で掘削する点です。掘削ツールの強度が小さく採取したコアを管理するため繊細な作業が必要となります。

科学ボーリング

科学ボーリングは、学術研究のための掘削作業で、長崎県の雲仙普賢岳、山梨県の富士山などで実施されています。

雲仙科学掘削プロジェクトの火道掘削井USDP-4の掘削作業では、深度1,995.75mまで掘削し、最大傾斜角75度を維持しながら雲仙火山の地質サンプルを多量に採取しました。このサンプルの中には、マグマの圧力により地層を割り進入したマグマから形成されたと考えられる「火山ガラス」や平成新山のマグマと考えられる岩石が含まれていました。

二酸化炭素地下貯留井

二酸化炭素地下貯留井は、石炭などの化石燃料を用いた火力発電所や化学プラントから発生した二酸化炭素を地下に圧入し、貯留する坑井です。

貯留する地下構造は、キャップロックのある地下構造や地下の帯水層などが考えられています。火力発電所などからこの貯留構造まで、坑井を掘削することが必要となります。この坑井は、高傾斜コントロール掘削をおこない、目的地層に正確に掘り込むことが求められています。

原子力開発と掘削技術

原子力発電の使用済み燃料を再処理すると高レベル放射性廃棄物が生成されます。この廃棄物は地下に埋設処分されることになっています。この処分場の地質や地下水の流れを調査するためや、放射能のモニタリングをするために坑井が必要となります。

この坑井は、掘削時に地下の環境をできるだけ乱さないことが求められ、高い掘削技術が必要となります。

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